2021年1月8日にオンラインで開催された第34回多値論理とその応用研究会において、理工学府電子情報部門 弓仲研究室所属の五木田直樹君(修士2年)がMVL論文賞を受賞しました。受賞対象となった「HMDとハンドトラッキングデバイスを連携させたVR空間上指鼻試験・指追い試験評価システム」は、研究室の学生および本学医学系研究科脳神経内科学の佐藤正行医員、塚越設貴助教、池田佳生教授らとの共同研究をとりまとめたものです。
これまで、小脳性運動失調の程度を評価するために、被験者の鼻と医師の指との往復運動が円滑にできるかを見る「指鼻試験」が広く用いられていますが、医師が主観的に判断している現状であり、失調度の簡便かつ定量的な測定法の確立が求められていました。これに対して本論文では、ヘッドマウントディスプレイの仮想現実(VR)空間上に、ハンドトラッキングデバイスで測定した患者の指の動きを表示させることで指鼻試験を定量的に評価すると共に、指の詳細な軌跡を可視化するシステムの提案を行いました。開発した医療・ヘルスケア支援システムの完成度・有効性、発表態度などが高く評価され、受賞に至りました。
本テーマは、群馬大学レギュラトリーサイエンスプロジェクトおよびエレクトロメカニクス教育研究センターの研究成果であり、今後、臨床での検証、実際の医療ニーズのフィードバック等、医理工連携による研究のさらなる進展が期待されます。
開発したVR評価システムと表彰状